2、モルモットは疲れる

生きたくなんてないんだよ。

こんな世界、嫌いだよ。

こんな世界大嫌いなんだよ。

だから、死んだりしたらこの大嫌いな世界に負けちゃう気がして。

死にたくだってないんだよ。

・・・ううん。本当は、死にたくなるほど生きたくないだけなんだ。

 

 

気持ち悪い。

いつだって吐き気に襲われてる。

あぁ。臭い。この世界は、とても、臭い。

肺が重い。

黒い。

嫌だ。嫌だ。

(・・・何が嫌なの?)

・・・わかんないよ。

わかんないんだ。全部、何がわかんないのかもわかんないよ。

 

 

(はは。)

こんな自分が私は大嫌いで、大好きで、

(どっち?)

・・・わかんないよ。

・・・辛い、何かが。

 

 

「おはよう。」

・・・誰?

「起きてー。」

あ・・・。

そこには、光が、あって。

もしかして、あの子・・・?

「やっと起きた。おはよう。」

「おは、ようござ、います。」

違かった。立っていたのはあの子じゃなくて変な男。

(あの子が、私を拾ってくれるわけ、ないもんなぁ。)

・・・光はなくなっていた。

(気のせい、なのかな。)

「じゃあ、朝ごはん食べようか。」

 

 

 

多分、気付かれないうちに、手をのばしてくれたことに少し、救われていた。

たとえそれがモルモットとしてでも、私を拾って、傍に置いてくれたことに。

救われていた。

 

 

 

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