そこらへんのコンビニの話。

てれれれてれーれてれれれれ

某コンビニエンストアのドア開閉の愉快な音楽が鳴り響く。

(今日も、シフトなんだ。)

お弁当を吟味するふりして、ちらりとレジを見る。

(うー、今日も可愛いなぁ・・・。)

私は、コンビニのバイトの女の子に恋をしています。

 

 

「420円になりまーす。」

本当はコンビニ弁当は値段の割に美味しく感じられなくて好きじゃないんだけど、彼女に会う為に私は毎日コンビニ弁当を買っていく。

さらば、通常サイズの漫画一冊分・・・。本当はスーパーのお惣菜のが好きだ・・・。うん、どうせ自炊はしないんだけどね。

一人暮らしには大きすぎる打撃だけど彼女に会う為なら何でも良い。

あ、私みたいな人が貢ぐのか。あははー。

「あの、温めますか?」

「へ、あ、はい!!!!」

うー、レンジを使ってるところまで可愛い。

・・・まぁ、要はベタ惚れなわけです。

 

 

「・・・毎日、コンビニ弁当だと体に悪いですよ?コンビニ店員が言うことじゃないんですけど」

「へ?」

その時私はそうとう間抜けな顔をしていたと思う。

「風邪も流行ってますし、体調には気をつけてください。」

そういって、にこりと手渡されたお釣り。

温かいお弁当。

「ありがとうございました!」

温かい私の顔。

 

 

・・・覚えてもらってたとか。

嬉しすぎるけど、嬉しすぎるけど!!

よく考えたら毎日コンビニ弁当な女とか印象悪すぎるだろ・・・。

馬鹿だ、私・・・。

あ、でも自炊したらコンビニ行けない。

・・・どうしよ。

 

 

毎日じっくりコンビニ弁当を選ぶあの人に、私は恋をしてしまった。

コンビニ弁当を馬鹿みたいに真剣な目で見る横顔がなんか可愛くて。

気づいたら、好きになってしまっていた。

というか、つい話し掛けちゃったけど、向こうは絶対顔覚えてないよね!?

あー、気持ち悪いとか思われたらどうしよ。

気持ち悪い店員がいるからってもうこのコンビニ来てくれなくなったらどうしよう。

あ、そもそもあんなこと言ってあの人が自炊し始めたらもうコンビニ来てくれなくなるじゃんか。でも、毎日コンビニ弁当で体壊されるのは嫌だし・・・。

・・・どうしよ。

 

 

 

お互いベタ惚れ。